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鬼嫁の種

【修羅場】一目ぼれした女性を高級フレンチに連れて行ったら彼女はうろたえだした。どうやらこういうお店は初めてだったらしい。フレンチより焼き鳥、ワインよりビールが好きなのに俺が身の丈に合っていないことをしたばかりに彼女を傷つけてしまった…

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どう手を付けたら良いか迷ってる彼女を見て、
思わずフォークを掴み器を持ち上げ親子丼をかき込むようにオードブルを平らげた。
彼女だけに恥をかかせるのはと思って咄嗟にした行動だったのだが、彼女は笑ってくれた。
一緒にフレンチをかき込むように食べてくれた。
美味しかった。
彼女も美味しいと笑ってくれた。
嬉しかった。

他の客の視線が痛かったが、怪我の功名とはこのことかと思っていたその時、視界が赤くなった。
後ろのテーブルに居た初老の男に頭からワインをかけられた。
ここはマナーも知らない若造が来るところじゃないんだよと責められた。
ぐうの音も出なかった。マズイことになった。大人しく退散するかと考えていたら、彼女が男に迫った。

人の頭にワインぶっ掛けるような奴にマナーを指摘されるいわれはないと彼女は男に掴みかかった。
彼女は男を思い切り蹴飛ばし、赤ワインが入ったグラスに手をかけた。
しかし、一瞬考えた様子を見せるとグラスを戻し、こちらに踵を返して帰りましょうと言った。


お金を払い、オーナーに謝罪して店を出た。
今日は本当に申し訳ないことをしました。すみませんでした。
と彼女に謝ると
彼女はまた狼狽した様子をしていた。
これはいかんと土下座をしようと思ったその時、彼女は
ワインがドレスに染み付いちゃった、レンタルなのに
と言って笑った。
僕も笑ってしまった。
その後、彼女の行きつけの焼き鳥屋で食べて飲んで歓談した。

今までにあった最大の修羅場 £48
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