長いけど聞いてくれたら嬉しい。
4月1日、俺は二十歳になった。
親との約束で、許嫁と結婚式をあげた。
嫁は可愛いわけでも美人でもなくて、ブスの分類に入るような奴だ。
付き合ったことはないし、ただ小さなときに話したくらいで、
あとは食事会で挨拶を交わして終わってたから夫婦にいきなりなることに違和感しかなかった。
夫婦になる前日にお互いの話をした。
俺は、中学生の頃に人生で愛した女の話をした。
当時中学生だった俺は、やんちゃばかりして危ない奴等にまで喧嘩を売っていた。
そんなときに出会った女が静香(仮)だった。
静香は所謂いじめられっ子で、教室では名前の通り静かな女だった。
でも、静香は俺にだけは強く当たってきていた。
掃除をサボれば掃除をしろと怒鳴り付けたり、授業中寝てれば寝るなと怒ったりと
俺からしたらなんで苛められてるのか分からないほどだった。
それでも、静香は確実に苛められていた。
ある日の放課後。
体育館でバスケをして遊んで教室に鞄を取りに行ったとき、静香は一人しゃがんで泣いていた。
「どうしたんだ?」と声をかけても、なんでもないと言い張っていた。
いつも綺麗に縛っている髪は乱れ、制服も乱れていたことから何が起きたかは、だいたい察しがついた。
触れられたくないことだろうと思った俺は鞄を持つと、静香に近寄り、「送るよ」と言って彼女の腕を引っ張って歩いた。
このときから俺は、彼女を守ってやりたいと思い始めた。
月日が経ち、やっと彼女が、好きだと自覚して告白し、付き合え幸せな日々を送っていた。
その頃には、やんちゃも止めて真面目になっていた。
そう幸せが続くって思ってたのに、その時は早くやってきた。
