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鬼嫁の種

【修羅場】妹の出産を機に、母親が俺のお見合いをセッティングしようと画策していた。嫌々だった俺も写真を見てその気になった。優しい笑顔の女性だった。結局その女性と会うことになったのだが…。

投稿日:

amd100

未だに自分が狭量だったのか否か判断に迷う話なのだが、
人生で初めてキレた話をしてみたいと思う。

俺は小さい頃から喧嘩すらした覚えがない。
喜怒哀楽の怒の部分が欠落している人間だと自認してたんだ。
でもだから余計に始末に悪かったのかもしれない。
加減を知らないおかげで嫁にも会社にも大変な気苦労かけさせてしまった。

嫁と俺とは見合い結婚だった。
母と嫁母は同じコーラスグループに所属していてガーデニングを披露し合う仲だ。
だから嫁と知り合う前から彼女の母親とは顔見知りだった。
娘さんが俺の勤務する会社の本社に勤めていることも何かの機会に伝え聞かされていた。

母からその友達の娘さんと会ってみないかと言われたのは
妹が出産した直後のことだった。

要するに妹が結婚出産したのに未だに女の気配がない長男(俺)
の事が気がかりという事だったんだろう。

あからさまな直球勝負を挑むところが
いかにも母親らしいと言われれば母親らしいが俺にだってプライドぐらいある。

妹が恋愛結婚したのに長男の俺が母親のコネを利用したのでは格好がつかないだろう?
でも母は俺の口から断りの言葉が出る前にすかさず嫁の写真を差し出してきたんだ。
シャシャ!と。

そういうところは本当に抜け目ないと思う。
いい子そうじゃない?と言われた。
黒縁メガネをかけた優しい笑顔の女性が写ってた。
確かに俺の目にもそう映った。

向こうは会っても良いって言ってるみたいよって言われた。
案外なことに向こうが見合いに乗り気らしかった。

俺は月に二回必ず本社に出向することになっている。
だからその日に軽くお茶でもという事で既に話が進んでいると言われた。
母はそういうとき必ず外堀を埋めてから攻めてくる。
断りきれない軟弱な俺の性格を熟知してるんだ。

母は「せっかく会ってみたいって向こうがいってくれてるんだから」って言ってたけど
実際は何処まで本当だったのかわからない。

母の性格からすると俺が乗り気だと向こうに伝えてる可能性は
十分すぎるぐらい考えられるからだ。

しかし何やかや言っても結局会う事にしたのは写真の印象が良かったからなのは言うまでもない。
しかも学歴までしっかりしてるときたもんだ。
おかげで俺のちっぽけなプライドなんて何処かへ飛んていってしまった。

でも見合いは見合いでけっこうドキドキするものだと初めて知った。
待ち合わせの喫茶店にいくとき凄く緊張した。

喫茶店の扉を開けると窓際の席に彼女がポツンと座って待ってた。
こっち振り向くまでのインターバルが凄く長く感じたのを覚えてる。

彼女はメガネをしていなかった。
彼女なりにおめかしをして来てくれたんだと思う。
写真で見るよりぜんぜん美人だった。
笑顔だけは写真の印象そのままだった。

今思い出してみると

-修羅場

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