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鬼嫁の種

【泣ける話】受験勉強がうまくいかずむしゃくしゃしていた俺はリビングで父のタバコを拝借したんだが、その瞬間を母親に見られた。母はそのことには何も言わず、「ここに行け」と俺に住所を書いた紙を渡してきた。向かってみるとそこは親戚の家…じゃなかった。

投稿日:

sum100

いつからだろう

母は美しい花を買って
二人でどこかに出掛けるのだ。

どこへ行くんだと俺が尋ねても、
ちょっとねとお茶を濁す。

そそくさと礼服に着替え、
それはそれは不可思議な1日が
毎年続いていた。

そんな俺ももう高校三年生。
なんとなく教師になりたいななどと
夢を持っていたが家には金がない。

意地でも国公立に行けと
親には言われてる。

しかし今日も希望校への判定はD。

むしゃくしゃしてリビングで
父の煙草を一本拝借。

火を付けた瞬間に母が帰宅した。

最悪のタイミング・・・。

母は何も言わず、
メモとペンをとりだして
サラサラと何かを書いている。

「ここへ行ってきなさい」

は?見たら見たこともない住所と名前。

「何で俺がこん…」

「いいから行ってきなさい!」

母のここまで取り乱した顔を見たのは
後にも先にもこの時だけである。

なんだってんだよ…まぁいいか、
どうせ勉強もはかどっていないし。

そんな軽い気持ちで
俺は書いてある住所へ向かうため
電車に乗った。

前田裕子…聞いたこともない。

母とどんな関係があるのだろう。

そこは小さなアパートだった。
チャイムを鳴らすといくつくらいだろうか、

なんせ母よりもいくらか年配の女性が
飛び出してきた。

「慶太君!?大きくなったのね!」

親戚のおばさんかよ。

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