俺が結婚したのは20歳の頃だった。
妻は21歳、学生結婚だった。
二年程貧乏しながら幸せに暮らしていたが、
ある時妊娠が発覚。
俺は飛び上がる程嬉しくて一人ではしゃいでいた。
「無茶はしないで」という妻の言葉も無視して
次の日には退学届けを提出。
叔父さんの経営している会社にコネで入れてもらった。
とにかくやる気満々で、
働きまくって子供を元気に育てるんだ!
ってなもんだった。
今考えても単純だったと思う。
けどそんな幸せも長くは続かなかった。
その後しばらくして、
交通事故で妻がお腹の子と一緒に死んだのだ。
この辺りは本当に今でも良く思い出せない。
何やら言う医者につかみかかって
殴り飛ばしてしまったこと、
妻を轢いた車の運転手の弁護士を殴り飛ばしたことは
うっすら覚えている。
無茶苦茶だった。
それでも何とか葬式をすませ、
手続きなんかもこなし、何日か実家で休んだ後家に戻った。
それからは日付の感覚もなく、ただ呆然としていた。
テレビも見ず、ただ、米を炊いて食う、
それだけの毎日だった。
