うちの親戚はみなご町内に住んでいて、行き来も多く仲がいい。
本家だのなんだのっていうご大層な家柄では無い、ド庶民。
当時私はヴァイオリンで音大に在学中で、
従兄弟夫婦は嫁さんの希望で従兄弟実家に同居していた。
嫁さんは凄く大人しいつーか暗い人で、一日中家の中でボーっとしている。
家事もしないが、遊びもしない。悪い人じゃないけどちょっと不気味だった。
しかし赤ちゃんを産んでから急に「本家長男の嫁」を主張し始めた。
その一環として、私にヴァイオリンを寄越せと言ってきた。
私が使っているのは祖父から譲り受けた物で、結構な品。
分家の人間が本家の物を当たり前のように使っているのはおかしい、こちらに返すべきだと。
ヴァイオリンをやりたいなら先生を紹介するし、最初はレンタルで、
ある程度弾けるようになってから自分に合う物を買った方が良いとみんなで説得したが
「私がいつヴァイオリンを習うかは私の自由。強制しないで。
とにかく本家の物は本家へ。筋を通してもらわないと困る。」
この楽器はずっと使っている一生物だし、
クソ高いメンテナンス代も工面しながらやってきたいわば相棒。
しかもじっちゃんの遺品。だいたいいくらすると思ってるんだ。
ホイホイあげられるもんじゃねーんだよ!
という言葉を飲み込み「分かりました…」と涙眼で答えた。
すぐに知り合いのヴァイオリン工房に行って
新人さんがてけとーに作った廃棄用試作品を貰ってきた。
伯父伯母、両親には話を通した上で、それを祖父の物だと偽って渡す事にしたw
渡す時にも「大事にして下さいね…っ」って盛大にマヤっといた
ついでに「今年メンテナンスしたばかりなのでその分のお金は下さい」
と言うと、ドヤ顔で払ってくれた。30万。家計から出した模様。
伯父伯母に渡しといた(従兄弟夫婦は実家に食費も何も入れてなかった)。
…これで終わった筈だったんだが。
