すると旦那、ティッシュで唾を拭き取りながら、
「分かりました。どうしてもこの傷が、うちの車がつけたものだと
仰るのですね。…じゃあ実験してみましょう。」
そう言うと、うちの車の後部ドアを勢い良く開いて、
おばさん車の土手っ腹に思いっきりぶつけた。
「見て下さい。これが今のでついた傷ですが、
お宅が仰るのとまったく位置が
違いますね?
つまり、その傷は私達がつけたものではない。お分かりですね?」
おばさんポカーン。
旦那はそう言いながら、食材の買い出し費用が入ったバッグから、
千円札数枚を引き出すと、おばさんにパッと投げ、
「今ついた傷はこれで充分でしょう」
こちらを向いて、
「さ、行こ行こ」
とさっさと車に乗り込み始めたので、私もやや放心状態のまま、
助手席に乗り込み、その場を離れた。
後からうちの旦那、
「あー、やっちゃった。保育園の財布から投げちゃったよ」
と、しぶしぶ自分の財布から補填していた。五千円投げていたらしい。
あんまりガッカリしているので、
その日の夕食は、旦那の好きな牛スジカレーにした。
普段温厚な旦那の、意外な一面を垣間見た気がした出来事でした。
胸がスーッとする武勇伝を聞かせて下さい!(131)