色紙の裏には何とも気味の悪い絵が一面に書き詰められていたのだ。
大蛇がぐるぐると巻きついた十字架、刃物でメッタ刺しになっているリンゴ、
眼球が飛び出した犬、四肢が全て切り離された人間、首だけで笑っている人の頭・・・・
かなりの種類だった。
しかも、どの絵も全くと言っていいほど統一性がなく、
それぞれ違う人間が書いたようなものに見えた。
幼稚園児レベルの画力の、まさに落書きと呼ぶに相応しいような絵もあれば、
美術館などで展示されていてもおかしくないような、驚くほど精巧でリアルな絵もあった。
とにかく、どれも恐ろしくグロテスクな絵だった。
一般人が見たら間違いなく狂った人間の仕業と思うだろう。
俺もそうだった。
なんて真似しやがる・・・どこの糞野郎か知らないが、悪質な悪戯だと思った。
それにしてもオッサンはこの絵を見て何も思わなかったのだろうか?
それとも単に気付かなかったのか?
俺は再びオッサンの家の呼び鈴を鳴らした。
すると何故か、さっきはすぐに出てきたくせに今度は全然出てこない。
何度も呼び鈴を鳴らしたが、一向に出てくる気配はなかった。
ひどく気味が悪くなってきたので出来るだけ早く回覧板を手放したくなった。
階段を上がって上の階へ行き、呼び鈴を鳴らした。
しかし誰も出てこなかった。
仕方ないので下の階に行き、何度も呼び鈴を鳴らしたがやはり誰も出なかった。
俺は諦めて回覧板を持って家に戻ることにした。
何でこんなものが俺に回ってくるんだよ・・・すっかり嫌になった俺は、
回覧板の色紙を取り外してクシャクシャに丸めてゴミ箱に捨てた。
それで少しだけ気分が晴れたような気がしたので、その日は早いうちに寝た。
夜中になって、俺は目を覚ました。時計を見ると午前3時だった。
何でこんな時間に目が覚めるんだ・・・俺はふと、あの回覧板のことを思い出して急に怖くなった。
何故かあの色紙の存在がとても気になった。
恐る恐るゴミ箱の中を覗いてみると・・・色紙はクシャクシャに丸まって、
さっきのまま捨ててあった。取り出して見てみると、例の気持ち悪い絵が目に飛び込んできた。
「ん・・・?」
よく見ると、絵の中に混ざって平仮名が書いてあるのに気付いた。
『 し に た い 』
次の日、隣のオッサンは首吊り自殺をしていた。
あまりに怖くて、悲しくて、泣いた。
●コメント
なんで回覧板が隣からまわってきたらおかしいの?
●コメント
いつもの順番では下の階の人から回ってくるってことじゃないの?
洒落にならないくらい恐い話を集めてみない?
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