小さな出版社で下っ端社員をやっていた頃、
痴漢で服役した男性にインタビューしてこいと言われて出向いた。
場所は普通の喫茶店。
挨拶して名刺交換して、テーブルにレコーダー置いて
相手に話させる。こっちはたまに合いの手を挟む程度。
男性は今はすっかり痴漢から足を洗って更生していると言い
「一種の病気です」
「セー欲というよりはスリルを楽しむ気持ち」
と最初はしおらしかったのだが、だんだん気が大きくなってきたのか
向こうから私に質問してくるようになった。
しゃべってくれるのは有難いので適当に受け答えした。
男性が「痴漢されたことあります?」と聞くので
「はあ、まあ」とやんわり答えたら、なぜか急に男性は居丈高になった。
「痴漢は、痴漢されたがっている女を見ぬけるんですよ」
「欲求不満の女特有の匂いがある。ぼくらはそれを嗅ぎ分ける嗅覚がある」
「ブスを触ってやるのは男としてのボランティア」
等々、ニヤつきながらベラベラしゃべる。
口元はニヤついてるのに、目はじーっとこっちを睨んでるのが印象的だった。
しゃべるだけしゃべらせて、「はい有難うございました」と切り上げ
レコーダーの最後に
