たまたまそのとき音をミュートにしてなくて、
キュッキュッって靴の音と、なんか潜めてるような人の声まで入ってんだよね。
なにコレ、中身違うじゃん、と思ったんだけど、画面見てすぐわかった。
廊下が例の大学病院には間違いないんだよ。
ああいうトコって個性ないようで、意外とわかるもんなんだ。
多分自分だけじゃなく、ドクターもそう思ったから
すぐに映像を止めなかったんじゃないかな。
画面と音からすると、例の大学病院の廊下を、
夜中にデジカメで撮影しながら歩いてるみたい。てかCD‐ROMじゃなくてDVDじゃんコレ。
時々入る声とか、画面の端に微妙に写る手とか足から考えて、
撮影してる人もふくめて3人ぐらいいるのかな?声ははっきりしないんだけど、
「マジで…ヤバくない?」
「バカ、スッゲー…だって」
「可愛い子…ステッて」
みたいな、学生っぽいけどなんかいかにも
『やっちゃイケナイことしてます~』感アリアリの、
興奮を抑えてるような声でさ、さすがにコレなんかまずいんじゃないの?
って気がしてきた。ドクターもそう思ったらしく、
「あ、もういいから止めよう」
とかなんとか言いながら、横から手出してマウスをクリックした。
どこをクリックしたのか、画像が終了じゃなくて、一時停止になった。
最後の画面ははっきり見えたね。ちょっとブレてるけど、
間違いなく『霊安室』って書いてあった。
この話はこれで終わり。
ドクターが血相変えて長電話してたり、
なんだか自分が院長に呼ばれて保助看法上の秘守義務がなんちゃらかんちゃら、
主語がなくてさっぱり要領のわからない話されたり、
大学病院で教授から年賀状が来なかった学生だかドクターだかがいたとか、
その教授から自分当てにスゲー高そうなウイスキーだかスコッチだか届いたけど、
自分酒飲めないからドクターにあげたとか、
まあそういうよくわからない話でした。おしまい。