A男の様子がおかしいと思い始めたのは
挙式の準備を進めている最中だった。
それまではちゃんと一緒に相談していたのに、
「お前が決めて」
「好きなようにしていいから」としか言わない。
部屋の様子もおかしい。
もともとそんなに酒好きじゃなかったはずなのに、
ワインが常備されるようになった。
「なんかハマっちゃって」とか言ってたけど、
ワインが減るスピードがあまりに早い。
もうこの時点で嫌な予感はしてたけど、
親の手前もあって「気のせいだ」と見ないふりをしてた。
そんなモヤモヤが溜まってたある日、
父が真面目な顔をして話があるといいだした。
リビングに行くと顔を真っ赤にして
鬼みたいな形相をした母が座ってる。
「私なんかしたっけ…」と
ビクビクしながら着席すると、父が1枚の写真を取り出した。
それは、見知らぬ女と腕を組んでるA男の写真だった。
目の前が真っ暗になるっていうけど、本当なんだね。
泣いて泣いて泣きまくった。
でも泣いてるうちにものすごく腹が立ってきて、
「結婚なんかやめる」と宣言。
両親も「そうしなさい、わかっていて不幸になることはない」
と慰めてくれた。
その後、婚約破棄までスピーディーに進んだ。
式場や指輪のキャンセル料+慰謝料で話はまとまった。
慰謝料は婚約破棄としては破格の額だったんだけど、
向こうのご両親が
「これぐらいはさせてもらわないと気が収まらない」
ってことだったのでそのままいただいておいた。
A男は「一時の気の迷いなんだ、結婚式の話ばかりで疲れていた、
愛してるのはお前だけ」
とかほざいてたけど、A男父になぐられてた。
もう愛情はかけらも残ってなかったので
ざまぁとしか思えなかった。
で、なんで父経由でばれたかなんだけど。
A男、実は父が経営する法律事務所で
仕事してたんだ。
試験には合格したものの、
極度のあがり症で面接落ちまくった末に
私に泣きついてきて、
一緒に父に頭下げてどうにか雇ってもらった。
A男の相手は事務員で、
別の事務員から父に報告があったらしい。
それで父も興信所を使って調べた結果真っ黒だった、と。
もちろん事務所も解雇。
婚約中でも父が
「A男君、この仕事あまり向いてないぞ」
と漏らす程度には駄目な仕事ぶりだったよう。
その後もロミオメールとか
復縁要求が山のように来たけど、
父が電話口で一括したら平和なった。
来月同僚と結婚するので、厄落としカキコ。
●コメント
本人アホなんはともかくとして、だな。
●コメント
どうぞロミオメールスレへ
■私
数年前の話なんで、
とうの昔にロミオメールは削除してしまった。
覚えてるのは「僕は君のシンデレラボーイ、
君か迎えに来てくれるのを待っている、
優しいキスで目覚めさせて」
みたいなメールがきたことくらい。
シンデレラボーイっていう単語が衝撃的だったのと、
シンデレラか眠り姫かどっちかにせーよ
と思ったのをなんとなく覚えてる。
他はテンプレ通りの「愛してる」とかだったような…
覚えてないくらいだし、
あんまり面白くなかったんじゃないかな。
◇修羅場◇part127
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