ウン十年前の父の修羅場。
私は当時とても幼く、その頃の記憶はありません。
父はある職業のプロ(のようなもの)で、
業界が成長期で引き抜きにあい、拠点を東京から地方に移しました。
そこで結婚し子供が出来て、この地に骨を埋める覚悟で家を建てました。
激務でしたが彼は血気盛んで、家庭を支える使命感と
仕事の楽しさを持って働いていました。
ですがある日、玉突き事故に巻き込まれました。
緊急搬送先の手術で両足を切断されそうになりましたが、彼は断固拒絶。
すね部分の筋肉と骨の欠損が激しかったのですが、
いくつものプレートとボルトを埋め込んで、
皮膚移植もしてなんとか足を形成してもらいました。
ですがリハビリしてもどの程度回復し、
歩行可能になれるかどうかも分かりませんでした。
体が資本の仕事に誇りと情熱を持っていた彼は、
きっと絶望感に苛まれたことでしょう。
事故を引き起こした大学生にも怨み骨髄で、思い出しては
「ぶっ殺してやる」等と叫んでいたと聞きました。
入院中のある日、その大学生とご両親が
お詫びの挨拶をしに、病室を訪れました。
父は会いたくもなかったようですが、仕方なく面会しました。
彼はそこで目にしたご両親の姿が、今でも忘れられないそうです。
お二人とも
