フェイク込みで。
父がエネ夫だった。
父:50代後半、資格職
母:50代後半、主婦
私:20代後半、資格職(同居)
妹:20代前半、一般職(同居)
弟:10代後半、学生(遠方に下宿中)
30年前、長男教一家に育った父と見合いで結婚した母。しかし翌年男児を流産。
失意の最中に祖母、伯母から「人ゴロシ」「嫁失格」等の暴言を受けた母は
父に泣きつくも、父は我関せず「甘えるな」で切り捨て。
母はその後も後継ぎ梅攻撃を受け続け、弟が生まれたことでやっと嫌がらせが下火になった。
……ということを、生まれてこのかた愚痴られ続けて育った長女の私。
父方の祖母や伯母らとは飛行機2時間の遠距離で別居だし 、
私が物心ついてからはそれなりに仲のいい家族だったし、
父も「大げさすぎw」「ヒステリーなんだからw」と笑ってたから、
正直なところ「母さんも昔の恨みをいつまでも愚痴愚痴言うなよ」くらいにしか思ってなかった。
その母がある日、入院した。
「先生に末期癌だと言われた」というメールを見て血の気が引き、
職場に訳を話して早退。すぐに駆け付けた。
ところが実際は良性ポリープ。すぐ手術すれば、命にも別状はない。
ただ「腫瘍」で「手術が必要」と聞いて頭真っ白になった母が
末期癌だと勘違いメールを送ってしまった、というオチ。
「ああ、よかった」と胸を撫でおろしているところに
父も職場から駆け付け。
事情を説明しようとしたら、突然「ごめんね」と泣きだす父。
「母さんがこんなことになるまで気付いてあげられなくて」
「いや、あの、だから、違」
「母さんもさぞかし心細いことだろう。だから!
