就職して忙しくなっていた冬のある日、連日で嫁に誘われ食事に付き合った。
その帰り道。「家に泊まって行ってほしい」と言ってきた嫁。
様子がいつもと違ったのでなんとなく何か話があるのかと思い、聞いてみた。
嫁「別になんもない。今日はなんとなく1人で居たくなかった」
腑に落ちないまま。テーブルを真ん中に、床に寝転がって目を瞑っていると
テーブルの向こう側で寝ていた嫁が「私もお箸がきちんと持てなかった」とポツリと言った。
その夜に話していてわかったのは、彼女が育った環境が俺と似ていたこと。
先日、身寄りだった義母の100か日法要が済んだこと。しばらく1人で居たくなかったこと。
嫁「ペットでも買おうかなって。猫がいいかな」
明るく言う嫁に、昔近所で俺がよく遊んでいた野良猫の話をした。
その数週間後。知人で猫の里親募集をかけていた人の紹介から出会った1匹の雑種と一緒に俺のアパートで嫁と二人で住むことにした。
2年半後、嫁の義母の墓参りに一緒に行った帰りにプロポーズ。
俺は事情があって子供の頃祖父母の元で育ったが、そのことに関して不幸だと思ったことはなかった。
ただ、普通の両親というものがよくわからなかったし、将来自分が誰かと生きていくことや家庭を築くことに対して多分夢や希望はなかった。
そもそも想像がつかなかったから。
そんなだったんだけど、嫁と一緒になることはなぜか不思議と迷いがなかった。
そこから結婚して今に至ってる。
嫁が子供を授かったと知ったときは、いざ新しい命のことを考えると「普通の両親」を知らない自分が親になれるのかと不安に苛まれてきて。
手当たり次第に本も読み漁ったりすることもあった。それでもやっぱりよくわからなかった。
「母と父にはなろうと思えばなれる、あり続けることのほうが大変なんだよ。あんたたちならわかるはずだよ、何が合っても助け合いなさい」
といってくれた祖母の言葉のおかげでハッとさせられたりもした。
嫁と出会ってから、周りの人のありがたみが改めてよくわかるようになった。
あのとき不思議と迷いがなかったのは、多分嫁が人間的にも俺が尊敬できる人だと思ったからなんだろうなとよく思う。
褒めるとすぐ調子にのってエッヘンしてくるけど「無い胸はられてもな」というと「私より有ってから言え」と胸つついてくる嫁に和んでる。
●コメント
お子と猫共々しあわせにな
引用元:嫁(旦那)との馴れ初めを語れ
http://kohada.open2ch.net/test/read.cgi/kankon/1395052439/