奇形の顔「受け入れられない」…家族が手術拒否、ミルク飲めず赤ちゃん餓死
手術すれば、きれいに治すことができるのに…
産科から小児外科に連絡が来ました。先天性食道閉鎖症の赤ちゃんが生まれたのです。
食道閉鎖とは文字通り食道が途中で閉じている先天奇形です。
当然のことながら、ミルクは一滴も飲めませんから、
生まれてすぐに手術をする必要があります。
食道は胸の中にありますので、赤ちゃんの胸を開く、難易度の高い手術です。
そして、赤ちゃんの奇形は食道閉鎖だけではありませんでした。 口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)という奇形があったのです。
口唇裂とは上唇が鼻まで裂けていることです。
口蓋裂とは口腔と鼻腔を隔てている上あごが裂けていて、口と鼻の中がつながっている状態です。
口唇口蓋裂は、形成外科の先生が何度か手術をすることで、最終的には機能だけでなく、美容の面でもきれいに治すことができます。
私は赤ちゃんの家族に食道閉鎖の説明をし、手術承諾書をもらおうとしました。
ところが、家族は手術を拒否しました。
赤ちゃんの顔を受け入れられないと言うのです。
私は驚き慌てて、どうしても手術が必要なこと、
時間の猶予がないことを懸命に説明しました。
ところが家族の態度は頑として変わりません。
●コメント
児童相談所に通報したが「先生たちで解決してください」
何とかしないと大変なことになります。とにかく時間がない。
産科の先生たちを交えて繰り返し説得しても、効果はありませんでした。
私は最後の手段として、児童相談所(児相)に通報しました。
児相の職員たちは、聞いたことのない病名にかなり戸惑っている様子でしたが、
その日のうちに、3人の職員が病院を訪れてくれました。
私は両親の親権を制限してもらい、その間に手術をしようと考えたのでした。
児相の職員と赤ちゃんの家族で話し合いがもたれました。
私はその話し合いが終わるのを、ジリジリしながら会議室の前で待ちました。
話し合いは不調に終わりました。
児相の説得も失敗したのです。
では、「親権の制限はできますか」と職員に尋ねると、
彼らは首を横に振って「あとは先生たちで解決してください」と言って病院を去りました。
家族は姿を現さなくなり…こんなことがあってもいいのか
