減刑嘆願したのだと判事が教えてくれた。
爺さんが退院したと聞き、
菓子折を持って友人と見舞いに行った。
その時爺さんはこう語った。
「事故を起こして怖い、逃げ出したい。そう考えてもおかしくないのにキミは頑張ってくれた。
そんな若者を前科者にしたくはなかった。それに次は僕が頑張る番だと思えたからね。」
奥さんに聞いた話では、
事故が脳内出血を誘発しかけたらしい。
そんな状況でこちらの事まで気にかけてくれたとは…
雷に打たれたような衝撃を受けた。
それまで俺は「正直に生きるのはバカ」
だと教えられ、信じていた。
だが爺さんは(そして友人は)このDQNに教えてくれたのだ。
「誤魔化すな。人には誠意でぶつかれ」と。
命を張って…。
2年後、地元に近い県庁所在地の市役所に就職が決まった。
真っ先に爺さんに報告したかった。
爺さんは健在だった。
そして戦前の官庁勤めの経験からこう語ってくれた。
「欲や誘惑に走るな。市民のために尽くせ」と。
やれ出世だ高給だ、
要領よくとしか言わない親とは大違いだった。
月日は流れた。
爺さんや友人とも距離が離れたせいか疎遠になってしまった。
爺さんに教わった生き方が出来ているか…
と今でも考える。
出来ていなければせめて伝えよう。
父親として娘に、妻の胎内の子に。
友人に恵まれたこと、
こんな気骨の士にめぐり合えた事を。
そして…爺さんが命がけで教えてくれた事を。
●コメント
じーんときますな
涙が出るほどいい話
http://uni.2ch.net/test/read.cgi/healing/1078990472/