
俺が高校出て就職して2年目、新卒の女の子が入ってきた。
俺より上は男しかいないようなむさ苦しい職場だったが、
俺以外の同期も後輩数名もみんな女の子で、一気に会社が華やかになった。
研修期間が終わり、秋。一人の女の子がうちの部署に配属となった。
横顔がタヌキみたいに見えた。なんかいつもピョンピョコフワフワしてた。
滑り具合に定評のある俺のギャグにも、顔をクシャクシャにして笑ってた。
めちゃくちゃ幸せそうに笑うもんだから、一発でその笑顔の虜になった。
その年の暮れの忘年会、偶然席が隣になったので、ここぞとばかりに沢山話した。
もうすぐ来るクリスマスがちょうど誕生日だと言うので、翌日プレゼントを買いに走った。
似合いそうな可愛いヘアピンを買った。クリスマスの日も仕事だったが、
渡すタイミングを伺ってたら、一日が終わってしまった。
結局渡せたのは年が明けてからだった。苦笑いと嬉しさが混ざったように「ありがとうございます」 と言ってくれた。
翌日からずっとそのヘアピンをしてた。知ってる限りは毎日ずっと。
次の春、連休に食事に誘った。