
漏れの実家は広島にある。家は結構大きいほうで、なんとか自慢できるくらいの庭もあった。
うちをここまでにしたのはばあちゃんとじいちゃんのおかげだ。
戦後すぐに海軍から帰ってきたじいちゃんは、ばあちゃんと二人で会社を始めた。
その会社を二人で一生懸命大きくして、やっとじいちゃんも親父に跡を譲った頃、ばあちゃんが死んだ。
心臓病で半年ぐらい入院してからの大往生だったよ。でね。
その死んだばあちゃんは大の猫好きで、捨て猫を見ては拾ってきて、
俺が物心つく頃には家には5匹くらいの猫がいた。
そのうちの一匹に「ミーコ」ってメスの三毛猫がいたんだ。
そいつはばあちゃんと同じぐらい年行ってて、うちの猫の中でも威厳を保ってたかっこいい猫だった。
そいつはいつもばあちゃんの背中に乗っかって、散歩する時もいつも一緒だった。
はたから見ればその姿は「妖怪かよ!」と思われても不思議じゃなかったと思うね。
でも、ばあちゃんが死んでからその猫の居場所はなくなっちまった。
いつも乗っかってたばあちゃんのあの背中がなくなってから、ミーコは毎日縁側でぼーっと庭を見てた。
ばあちゃんが大好きだった庭を見ながら、毎日そうしてたんだわ。
俺ら家族はミーコの元気が出るように、話しかけたり撫でてやったりするようにしてた。
でも、ある日親父が縁側でぐったりなってるミーコを見つけたんだわ。