ことの始まりは、俺が高校に入学して一週間ぐらいの時だった
黒板から一番近い最前列の席に座っていた俺は、授業中ふと、
背中に小さな何かがコツコツと当たっていることに気がついたんだ
ちらりと目線を後ろに向けると、席が二つ後ろのDQNが、
にやにや笑いながらこちらに向かって、丸めた消しゴムのカスを投げていた
はじめは俺ではなく
俺の後ろの席の奴を狙ったのが外れて俺に当たったんだと思った
なぜなら、俺はこのDQNと、入学してから一度たりとも言葉を交わしたことがなかったからだ
だが、どうやらターゲットは俺で間違いないらしい
なぜ俺が?
そんな疑問を抱くが、一定の間を置いて消しゴムのカスは俺の飛んでくる
背中からひそひそ聞こえる、DQNと取り巻き達の押し殺した笑い声
正直、腹がたったが今は授業中だ
怒鳴りつけたがったが俺はとりあえず耐えることにした
だけど、DQNは反応が薄い俺に飽きたのか、10分もせずに攻撃は止んだ
……この時のアイツは想像もしなかっただろう
この些細な嫌がらせが、後に二年がかりにおよぶ復讐作戦の幕開けとなることを
休み時間になって俺は考えた
あのDQNをどうしてやろうかと
だが、悲しいかな俺は、人に声を掛けるのが苦手なシャイボーイだった
それに、攻撃されていた最中に覚えた怒鳴りつけたい気持ちも、少し時間がたったらしぼんでしまった
この程度の攻撃にマジギレするのは大人げないしね
ちなみに、俺がこのDQNからされた行為はこれだけ
それもこの時一回っきりだ
だけど、負けず嫌いな俺は、殴る怒鳴るまではいかずとも、何か仕返しせずにはいられなかったんだ
そんなある日、俺に消しゴムのカスを投げてきたDQNが
DQNグループで一番カーストが下の奴をいじめている現場に遭遇した
ここで、そのいじめられっ子をAと呼ぼう
Aもまた、消しゴムのカスの的になる俺をわらっていたメンバーの一人だったので、
好いてはいなかったのだがDQNたちのおもちゃにされる姿に、俺はなんだか気持ちがもやもやした
この時、俺は突然閃いた
俺自身の復讐も込めて、Aの復讐も代行してやろう!
高校時代、文化系の部に所属していた俺は、部活で帰りが遅くなることがたまにあった
それこそ、10時11時まで学校に残ることもあったんだ
夜の学校ならば、何かしても目撃者はまずいない
俺のささやかな復讐がはじまった
とりあえず、いきなり派手なことをすると、ことが大きくなる
だから、なるべく地味に嫌なことをしてやろうと考えた
復讐その1
