2年ほど前、俺はあるアパートの6階に一人で暮らしていたんだけど、そこで衝撃的な思いをした。
ある日のことだ。朝飯をたいらげてテレビを見てるとピンポーン、と呼び鈴が鳴った。
こんな早朝に何の用だよ・・・出てみると隣のオッサンだった。
「はいよ、回覧板。」
そう言ってオッサンは俺に回覧板を手渡し、すぐに去っていった。
俺は少しの間玄関で立ち止まったままでいた。
何か・・・おかしくないか?
そう、回覧板だった。
ふつう、回覧板は必ず下の階から上の階へと回っていくはずなのだが、
その日は何故か隣から回ってきたのだ。
俺は家を出て、すぐさま隣のオッサンの家の呼び鈴を鳴らした。
オッサンは不機嫌そうな顔つきで現れた。
「すみませんが、今日はなんでお宅がうちに回覧板を・・・?」
俺はそう訊いてみた。オッサンは少し顔をしかめた。
「ああ、すまんよ。上に回してくれんか」
そう問い掛けてきたので俺は「は?」と答えた。
するとオッサンは「じゃあ、いい。とにかく上に回しておいてくれ」
一方的にそう言い放ち、バタン、とぶっきらぼうにドアを閉じてしまった。
なんだそりゃ。仕方ないので、とりあえずその場で回覧板を開いてみた。
回覧板の中には、いつものどうでもいい書類と、住民がサインをする用紙はなく、
代わりに水色の色紙が一枚だけ挟まっていて、その裏には何か書いてあるようだった。
俺はそれを見て驚愕した。
