あれは、中学1年のときだった。
我が家の隣にはFM局のスタジオがあって、
たまに有名ミュージシャンが来るので
よくファンがスタジオの前にたむろしていた。
ある日隣に、その頃超有名でファンが熱狂的で
知られている某バンドがやってきた。
学校から帰ると、自宅の前に赤やら青やら金色やら、
とにかく色見本のような派手な髪と格好の女の子たちが
座っていた。しかも自宅のまん前に。
我が家は商売をしていて、その店の前の地べたに座っていたのだ。
当時バンドなどに免疫のなかった私は、
自宅の前で立ち尽くし、入れずに半泣きだった。
その時、一番は出そうな女の子の後ろに、二人の影が。
母と祖母だった。
「あんた達、商売の邪魔だよ!!さっさとおどき!!」
祖母の容赦ない一喝が飛ぶ。
大声にびっくりした少女たちだったが、
相手が老婆だと知って見縊ったのだろう。
「はぁ?るっせーなー、ばばぁ。
ここお前の土地だって規定があんのかよ。
あたし達がどこにいようと勝手だろ?」と口々にキレだす。
そこで、祖母の怒りが臨界点を超えた。
「ああそーかい。じゃあ、あたしも勝手にさせてもらうよ!!」
と祖母はスタジオへ怒鳴り込む。
