私にはひとまわり以上年の離れた兄がいた。
兄がまだ学生の頃両親がなくなり、
兄は大学を辞め働いて私を養ってくれた。
私が高校生になった頃、兄に彼女が出来た。
兄と私は祖父の代からの持ち家に住んでいたが
しばらくして彼女も一緒に住むようになった。
3人暮らしが始まって少し経ち、私は兄の強い希望と
小さい頃からの夢もあって大学に進学した。
結婚の話も出ていた2人にいつまでも頼るのは申し訳ないので
ひとり暮らしがしたいと言ったが兄はそれを許さなかった。
彼女は特に何も言わなかったが、私が入った学部は4年ではなく
6年学ばなければならないことを知ると、だんだんと私への当たりが強くなった。
「寄生虫」
「早く就職して出ていけ」
「このままでは兄くんは幸せになれない」
学費こそ奨学金で賄っていたが、確かにそれ以外はほぼ兄に頼っている。
正論なので言い返すことも出来ず、兄に何度か
ひとり暮らしをしたい旨を伝えても反対される。
そのような板挟みの日々が続き、私は家に帰ると
腹痛をもよおすようになった。
様子がおかしい私を不審に思った兄が問い詰め、
我慢出来なくなった私はすべてを吐き出した。
兄は神妙な面持ちで私の話を聞いていた。
