一瞬なにが起きたのかわからなくてぼうぜんとしてたが、おい、事故ヤベーわ!と言って仲間の一人が落ちた場所に走って行った!それに続いてみんなも走っていく。
崖を覗いて見ると5、6メートル下に確かに車はあった。幸いにも太い木に正面からめり込むかたちに引っ掛かってた。
その光景を見てア然としてると、運転席から20代後半の男が出てきた。
俺が
「大丈夫ですかー?!」
と聞くと、なぜか軽快に
「あ大丈夫、大丈夫」
と言い自力で登ってきた。
「警察呼びましょうか?一人ですか?」
と聞くと、
「あぁ一人だよ。飲みすぎたわ、警察は自分から言いますから呼ばんといて」
と言って誰かに電話しだした。
そんな男を見て酒臭くないし酔ってるように見えなくてとても違和感を感じたが、それに気づいたのはあとからだった。
電話を話し終えたその男は道端に座り込みうつむいてた。
おでこの左からうっすら血が出てるのが見えたので、俺は車にあった絆創膏を持って行こうとするとなぜか仲間が
「なんかあいつ変わってるし、変に巻き込まれたくないからほかっとけ」
と止めようとする。けど俺はあんな事故すれば誰だっておかしくなるだろ?とその男に絆創膏を渡しに行った。
「あ、ありがとうございます」
と、ちょっとおちゃらけた感じにその男が答えた。よく見ると坊主頭に血の付いたTシャツにジャージのズボン、サンダル。部屋着みたいな格好だった。
そしてまたしばらくすると車がまた来た。
どうやらその男の知り合いのようだ。黒のハイエースバンだった。俺らに何も言わずに、そそくさとその車に乗って山を下っていった。
みんな目の前で起きた事故にテンションも上がり、それから一時間ぐらい車で話してた。
結局落ちてる車はあの男がどうにかするだろって事で警察にも連絡せず、
というかよくよく考えたら俺らここで違法行為をしているしそれはダメだろ、って事でその日はそのまま帰った。
それから一週間ほどしたある日、仲間の一人が焦った感じで話しかけてきた。
それはあの日の山の事故が新聞やらニュースでとり上げられたらしい。
そんな驚くような事じゃないが、そいつが焦ったような感じだった理由は別にあった…
「つかあの事故で人が死んでるんだぞ」
と友達が言った。はっ?っと俺は一瞬意味がわからなかったが、ニュースやら新聞では女性二人死亡と報道されてたらしい。
男一人しかいなかったし何かの間違いじゃね?と聞くが、ニュースでは場所も車も俺達が居合わせた事故に間違いないと言う。
俺は半信半疑でその日の新聞を見てみた。確かにあの事故が取り上げられてた。しかし俺がゾッとしたのは、こう書かれていたからだ。
女性二人が死亡…17歳と22歳
一人は助手席で頭を強く打っており死亡…
一人はトランクからブルーシートに巻かれた状態で発見
運転手行方不明…
それからその山は警察の出入りも厳しくなり、キャッツアイを設置されてドリフト連中は集まらなくなった。
もしあの時、車の中を見ていたらと思うといろいろ考えてしまう…
警察には情報提供はしてない。未だあの男は捕まっていないと思う。
死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?224
引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?224