兄の修羅場。
兄には付き合って1年の年上彼女A子さんがいた。
何度か会った事はあるけど、優しくて面白くて話題も豊富。
チョット気が強すぎるところはあるようなのは、父親が浮気の末駆け落ちし
体の弱い母親と弟を高校卒業後一人で面倒みてきたからだと思う。
弟さんは一昨年結婚し家を出た。
お母さんは昔脳梗塞を起こし、顔面・右腕・右足の麻痺に加え軽度の嚥下障害もあり
その面倒をみつつ仕事をしているというしっかり者。
兄はかなりヘタレなのでちょうどバランスが取れていて良いかも、なんて兄をからかったりもしてた。
ある日、兄が不機嫌そうな顔で帰ってきて、ご飯も食べずに部屋に閉じこもった。
心配して晩ご飯をもって兄の部屋にいくと兄から「相談がある」といわれた。
兄の話では、昨日突然A子さんの知り合いだという男性から携帯に電話がはいった。
呼び出されたところにいくと、30代後半くらいの男性がいて
「A子は私の妻で子どもも居る。どうか別れてほしい」と真剣な顔で言われた。
男は「子供のためにもどうか今すぐ別れてください」と泣きながら訴えたらしい。
言われてみれば、A子は親の介護を理由に毎週会ってもくれなかった。
家の近くまで送ることはあっても「ふるい市営住宅で見せるのが恥ずかしい」とか
「母親が半分寝たきりで部屋も散らかってるから」と家は絶対に見せなかった。
A子には子供も夫もいて、それを隠して付き合っていたんだとしたら辻褄も合う。
だからA子とは別れようと思う…ということらしい。
私は「一応A子さんと話し合ったら?」と忠告したんだけど、
兄は頑なに「嘘つきのA子の顔はもう見たくない。」「さっき別れのメールも送った」と言った。
見せてもらうと「A子にはひどい裏切をうけた。俺はすごく傷ついている。
二度と会いたく無いしメールもするな」というメールだった。
A子さんからは「事情がわからないから一度ちゃんと話し合いたい」という返事がすぐ来たものの、
それに対する返事はもう送る気もないらしい。
「じゃあ、別に良いじゃん。別れたんでしょ?」というと
「いや、でもA子から借りてる本が山ほどあるんだけど顔も見たく無いから返せない。お前が返して来い」
と言い出した。
「てめぇの後始末くらい自分でしろ」と思ったものの、兄にはちょっとした借りがあったので
私がA子さん宅に本を返しにいくことでチャラにしてもらった。
翌日、A子さんから借りたという本を持ってA子さん宅へ向かった。
